「UXデザインの重要性は理解したが、自社だけでは何から手をつければ良いか分からない」。多くの大企業の担当者様が、UXコンサルティング会社の選定段階でこの壁に突き当たります。各社のWebサイトは魅力的に見えますが、自社の複雑な課題を本当に解決してくれる相手を見極めるのは容易ではありません。私たち株式会社ゆめみは、2000年1月27日の設立以来24年間で、累計200社以上の大企業の皆様と一緒に取り組んでまいりました。その中で、UXコンサルティング会社の選定においてうまくいった事例もあれば、残念ながら期待通りに進まなかったケースも見聞きしてきました。今回はその経験から、パートナー選びで後悔しないための視点や、本質的なコンサルティング会社かどうかを見極めるための質問例についてお話しします。なぜ、UXコンサルティングは「魔法の杖」ではないのかお客様からご相談いただくUXコンサルティングの課題の多くは、「コンサルティングを受けたが、結局何も変わらなかった」というものです。これは、UXコンサルティングを「魔法の杖」のように捉え、コンサルタントがすべてを解決してくれると期待してしまうことに起因します。UXコンサルティングとは、単に「答え」を提示することではありません。お客様の組織が自律的にUXデザインを推進できるよう、課題解決の「プロセス」を共に歩み、ノウハウを「共有」することです。そのためには、お客様ご自身にも主体的に取り組んでいただくことでより良い成果につながると感じています。共に歩むパートナーとして、チーム一丸となって進めていくのです。失敗しないUXコンサルティング会社選びの3つの評価軸パートナー選定で失敗しないために、まず評価の「ものさし」を揃えることが重要です。私たちは、以下の3つの軸で総合的に判断することをお勧めしています。評価軸1:専門性と実績 - 「机上の空論」ではないかUXコンサルティングは、単なるデザインの助言ではありません。ユーザーリサーチ、データ分析、デザインシステム構築、組織変革など、多岐にわたる専門知識と、それを実践してきた豊富な実績が求められます。確認すべきこと:人間中心設計(HCD)などの体系的な手法論を持っているか。自社と同じ業界や企業規模での具体的な成功事例があるか。HCD-Net認定人間中心設計専門家など、専門資格を持つ人材が在籍しているか。評価軸2:伴走力と内製化支援 - 「作って終わり」ではないかUXコンサルティングの価値は、アウトプットを納品することだけではありません。本質的には、お客様のチームが将来的に自らUXデザインを推進できる状態をつくることにあります。そのためには、プロジェクトの初期段階からお客様のチームと協働し、課題解決のプロセスを共に進めながら、ノウハウの共有や人材育成まで含めて支援していく姿勢が重要です。確認すべきこと:プロジェクトの初期段階から、お客様のチームを巻き込むプロセスを提案しているか。ノウハウ移転や人材育成に関する具体的な支援メニューがあるか。納品後も継続的なサポートやアドバイスを提供してくれるか。評価軸3:ビジネス理解とROIへの意識 - 「絵に描いた餅」ではないかUXデザインは、最終的にビジネス成果に貢献しなければ意味がありません。コンサルティング会社が、単なる「使いやすさ」だけでなく、お客様の事業目標や経営課題を深く理解し、UX改善がどのようにROI(投資対効果)に繋がるかを具体的に説明できるかを見極める必要があります。確認すべきこと:お客様の事業や業界について、的確な質問を投げかけてくれるか。UX改善が、売上向上、コスト削減、顧客ロイヤルティ向上といったビジネスのKPIにどう貢献するかを具体的に説明できるか。費用対効果を明確に提示し、その根拠を説明できるか。本質的なUXコンサルティング会社を見極める3つの質問複数の会社から提案を受けた際、ぜひ担当者に以下の3つの質問を投げかけてみてください。その回答から、企業の姿勢や実力を見極めます。「私たちの事業課題を、UXの視点からどのように捉えていますか?」 この質問では、「提案の的確さ」や「ビジネス理解の深さ」がポイントになります。表面的なデザイン改善ではなく、業界特性や事業戦略と絡めて課題を分析できているか。たとえば「エンタメ業界では◯◯の体験価値が鍵になります」といった具体性があると信頼感が増します。「類似の過去プロジェクトで想定外だったことや、乗り越えた工夫があれば教えてください。」この質問は、単なる実績アピールではなく「課題への向き合い方」や「チームとの関係性」を見るためのものです。「当初は◯◯が想定と違っていて…」など、失敗や軌道修正のプロセスまで語れる会社は、誠実に伴走してくれる可能性が高いです。「このプロジェクトを通じて、私たちのチームにはどんな力がつくと考えていますか?」単なる成果物の納品だけでなく、お客様の組織の成長や変革までを見据えているかを確認します。内製化支援や人材育成への意識が高い会社であれば、長期的なパートナーとして期待できます。読者の方へのメッセージUXコンサルティング会社選びは、単なる「業者選定」ではありません。事業の未来を共に創る「パートナー探し」です。各社の強みを理解し、自社の課題と目的に最も合ったパートナーを見つけることが、プロジェクト成功の第一歩です。まとめUXコンサルティング会社選びは、事業の未来を左右する重要な意思決定です。専門性、実績、伴走力、そしてビジネス理解という評価軸を基に、本質的なパートナーを見極めることが成功の鍵となります。単なる「答え」を求めるのではなく、共に課題解決のプロセスを歩み、組織の成長を支援してくれる。そんな信頼できるパートナーを見つけてください。このような課題をお持ちの企業様は、ぜひゆめみにご相談ください。ゆめみは一度お取引いただいたお客様との長期的なパートナーシップを重視し、85%を既存顧客が占める信頼関係を築いています。24年の実績と高い継続率を持つゆめみは、200社以上の支援経験を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。