「このWebサイト、どこか使いにくい」「アプリの操作が直感的ではない」。ユーザーが抱くこうした小さな不満は、やがて大きな離脱へと繋がります。どんなに優れた機能やコンテンツも、UI(ユーザーインターフェース)が使いにくければ、その価値は半減してしまいます。私たち株式会社ゆめみは、2000年1月27日の設立以来、24年間で、累計200社以上の大企業をご支援する中で、多くのWebサイトやアプリのUI改善を支援してきました。今回はその経験から、ユーザーを惹きつけ、ビジネス成果につながる画面設計を実現するための基本手法と手順、そして実践のコツについてお話しします。なぜ、UI改善は「見た目」だけでは不十分なのかお客様からご相談いただくUI改善の多くは、「デザインを新しくしたい」というご要望から始まります。しかし、単に見た目を刷新するだけでは、根本的な課題解決には繋がりません。なぜなら、UIは単なる「装飾」ではなく、ユーザーとシステムが対話するための「接点」だからです。効果的なUI改善とは、ユーザーが迷わず、ストレスなく、そして楽しく目的を達成できるような「体験」を設計することです。そのためには、ユーザーの行動や心理を深く理解し、データに基づいた客観的な視点から、画面設計を見直す必要があります。UI改善の基本手法3選UI改善には様々な手法がありますが、ここでは特に効果的で実践しやすい3つをご紹介します。1. ヒューリスティック評価 - 専門家の知見で素早く課題発見概要:UXの専門家が、経験則(ヒューリスティックス)に基づいてUIを評価し、問題点を洗い出す手法です。ユーザーを巻き込む必要がないため、短期間かつ低コストで実施できます。活用シーン:開発の初期段階での方向性確認や、時間・予算が限られている場合に有効です。例えば、「ヤコブ・ニールセンの10原則」などの評価基準を用いて、UIの基本的な問題点を素早く特定します。コツ:複数の専門家で評価し、意見を突き合わせることで、より客観的で網羅的な課題発見が可能です。2. ユーザビリティテスト - ユーザーの「生の声」で課題を特定概要:実際のユーザーに製品やサービスを操作してもらい、その行動を観察することで、UI上の具体的な問題点を発見する手法です。ユーザーがどこで、なぜつまずくのかを直接的に把握できます。活用シーン:UIデザインの検証・改善段階で、具体的な操作上の課題を特定したい場合に最適です。例えば、新規登録プロセスでユーザーがどこで離脱するのか、その原因を深掘りできます。コツ:ユーザーに操作しながら考えていることを声に出してもらう「思考発話法」を併用すると、問題の根本原因を深く理解できます。3. A/Bテスト - データで「どちらが良いか」を検証概要:Webサイトやアプリの一部の要素(ボタンの色、文言、配置など)を複数パターン用意し、ランダムにユーザーに表示して、どちらがより良い成果(CVR向上など)を出すかを定量的に検証する手法です。活用シーン:特定のUI要素の改善効果を数値で明確にしたい場合に有効です。例えば、CTAボタンの文言を「送信」と「無料で資料をダウンロードする」で比較し、どちらがクリック率が高いかを検証できます。コツ:一度に複数の要素を変更せず、1つずつ検証することで、何が効果に影響したのかを正確に把握できます。UI改善を成功させるための3つの手順これらの手法を効果的に活用するために、以下の手順でプロジェクトを進めることをお勧めします。手順1:現状分析と課題の特定 - 「どこが悪いのか」を明確にするまず、アクセス解析データやユーザーからの問い合わせ内容、ヒューリスティック評価などを通じて、現在のUIが抱える課題を客観的に特定します。例えば、「特定のページでの離脱率が高い」「問い合わせフォームの完了率が低い」といった具体的な問題点を洗い出します。手順2:仮説の立案と改善案の設計 - 「どうすれば良くなるのか」を考える特定した課題に対し、「なぜその問題が起きているのか」という仮説を立て、それを解決するためのUI改善案を設計します。例えば、「ボタンが目立たないからクリックされないのではないか」という仮説に対し、「ボタンの色を背景と対比させ、サイズを大きくする」といった改善案を考えます。手順3:検証と効果測定 - 「本当に良くなったのか」を確認する設計した改善案を、ユーザビリティテストやA/Bテストで検証します。そして、改善前と改善後で、設定したKPI(例:クリック率、完了率、滞在時間など)がどのように変化したかを定量的に測定します。このサイクルを繰り返すことで、UIは継続的に進化し、ユーザーを惹きつけ続けられます。読者の方へのメッセージUI改善は見た目を変えるだけでなく、ユーザーの行動を促し、ビジネス成果につながる重要な取り組みです。もし自社サービスのUIに改善の余地を感じている場合は、それは成長のための良い機会かもしれません。まずは小さな改善から始めてみることをおすすめします。まとめUI改善は、ユーザーを惹きつけ、ビジネス成果に繋がるための不可欠なプロセスです。ヒューリスティック評価、ユーザビリティテスト、A/Bテストといった手法を適切に使い分け、現状分析から検証・効果測定までの一連の手順を回し続けることで、ユーザーにとって、より魅力的で使いやすいものへと進化させることができます。このプロセスは、単なるデザインの変更ではなく、事業成長を支える重要な取り組みです。このような課題をお持ちの企業様は、ぜひゆめみにご相談ください。ゆめみは一度お取引いただいたお客様との長期的なパートナーシップを重視し、85%を既存顧客様が占める信頼関係を築いています。24年の実績と高い継続率を持つゆめみは、200社以上の支援経験を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。