「Webサイトの使い勝手が悪い」「アプリの離脱率が高い」。多くの企業が、UI/UX改善の必要性を感じながらも、そのプロセスが複雑で、どこから手をつければよいか悩んでいます。場当たり的な改善では、根本的な課題解決にはつながりません。効果的なUI/UX改善は、計画的で体系的なプロセスによって実現します。私たち株式会社ゆめみは、2000年1月27日の設立以来24年間で、累計200社以上の大企業をご支援する中で、数多くのUI/UX改善プロジェクトを成功に導いてきました。今回はその経験から、UI/UX改善プロセスの全体像と、効果的なプロジェクト進行のための秘訣についてお話しします。なぜ、UI/UX改善は「プロセス」が重要なのかお客様からご相談いただくUI/UX改善の課題の多くは、単に「デザインが古い」という表面的な問題ではなく、その裏にある「ユーザーの行動」や「ビジネス上の課題」に起因します。例えば、Webサイトの問い合わせフォームの完了率が低い場合、原因は入力項目の多さかもしれませんし、エラーメッセージの分かりにくさかもしれません。あるいは、そもそもフォームにたどり着くまでの導線に問題があるのかもしれません。UI/UX改善は、こうした複雑な課題を解きほぐし、ユーザーの視点に立って最適な解決策を見つけ出す取り組みです。この旅を成功させるためには、この取り組みを効果的に進めるには、全体像を示す「プロセス」の設計が不可欠です。チーム全体が共通の認識を持ち、無駄なく、効率的に、そして確実に成果へと向かうことができます。UI/UX改善プロセスの5つのステップ効果的なUI/UX改善は、以下の5つのステップを繰り返すことで実現します。ステップ1:現状分析と課題の特定 - 「どこが悪いのか」を明確にする目的:現在のUI/UXが抱える問題点を客観的に把握し、改善の優先順位を決定する。アクセス解析:Google Analyticsなどのツールで、離脱率の高いページ、滞在時間の短いページ、コンバージョン率の低い箇所などを特定します。ヒートマップ分析:ユーザーがどこをクリックし、どこをスクロールしているかなどを視覚的に把握し、ユーザーの行動を理解します。ユーザーインタビュー/アンケート:ユーザーの「生の声」を聞き、不満点や要望を直接収集します。競合分析:競合他社のUI/UXを分析し、自社の強みや弱みを相対的に把握します。ステップ2:ユーザー理解と要件定義 - 「誰のために、何を作るのか」を明確にする目的:改善の対象となるユーザーを深く理解し、彼らのニーズや課題を解決するための要件を定義する。ペルソナ作成:ターゲットユーザーの架空の人物像を定義し、チーム内で共有します。カスタマージャーニーマップ作成:ユーザーがサービスと接する一連の体験を可視化し、感情の起伏や課題を特定します。機能要件/非機能要件定義:ユーザーのニーズを満たすために必要な機能や、システムの性能、セキュリティなどの要件を明確にします。ステップ3:改善案の設計 - 「どうすれば良くなるのか」を具体化する目的:特定された課題と要件に基づき、具体的なUI/UXの改善案をデザインする。情報設計(IA):Webサイトやアプリの構造、情報の分類、ナビゲーションなどを設計します。ワイヤーフレーム作成:画面の骨格や要素の配置を簡素に表現します。プロトタイプ作成:実際に操作できる試作品を作成し、ユーザー体験を検証できるようにします。UIデザイン:ワイヤーフレームを基に、色、フォント、アイコンなどを用いて、視覚的に魅力的なデザインを作成します。ステップ4:実装とテスト - 「形」にして「検証」する目的:設計した改善案を実際にシステムに組み込み、その効果を検証する。開発/実装:デザインされたUI/UXを、エンジニアがコードとして実装します。ユーザビリティテスト:実装されたUI/UXを実際のユーザーに試してもらい、操作性や分かりやすさに問題がないかを検証します。A/Bテスト:複数のデザイン案をランダムにユーザーに表示し、どちらがより良い成果を出すかを定量的に検証します。ステップ5:効果測定と継続的改善 - 「本当によくなったのか」を確認し、進化させる目的:改善の効果を定量的に測定し、その結果を次の改善に繋げる。KPI測定:事前に設定したKPI(コンバージョン率、離脱率、タスク完了率など)を測定し、改善前と比較します。ユーザーフィードバック収集:リリース後も、ユーザーからのフィードバックを継続的に収集します。改善サイクルの継続:測定結果とフィードバックを基に、新たな課題を発見し、ステップ1に戻って改善サイクルを回し続けます。読者の方へのメッセージユーザーのニーズや市場環境は常に変化しているため、それに合わせてサービスも進化させていく必要があります。今回ご紹介したプロセスを理解し実践していくことで、ユーザーにとってより価値のあるサービスを提供できるようになります。まとめUI/UX改善は、ユーザーの課題を解決し、ビジネス成果に繋げるための戦略的なプロセスです。現状分析から始まり、ユーザー理解、設計、実装、そして効果測定と継続的改善へと続く5つのステップを体系的に実践することで、ユーザーに本当に価値を提供できるサービスを作ることができます。これは単なる見た目の変更ではなく、事業の成長を支える大切なプロセスなのです。ゆめみは一度お取引いただいたお客様との長期的なパートナーシップを重視し、85%を既存顧客様が占める信頼関係を築いています。24年の実績と200社以上の支援経験を活かし、最適なソリューションをご提案いたします。